産経新聞の報道によると、サッポロホールディングスが、傘下のサッポロビールとサッポロ飲料が共
同で、ビール原料のホップから抽出した成分によりくしゃみや鼻水などの花粉症の症状を和らげる機
能性飲料を開発し、サッポロ飲料が来年1月に発売することを明らかにしたということです。
ホップはハーブの一種で、ビールに苦味や香りを与え、薬草としても用いられてきたということで
す。
◆Yahoo!ニュース - 産経新聞 - サッポロHD、花粉症緩和の飲料 1月発売 ビール原料から抽出
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20061121-00000005-san-bus_all サッポロビールとサッポロ飲料は、今年の9月にホップ水抽出物の花粉症症状軽減効果を臨床試験
で実証したことを公表していました。
◆サッポロビールとサッポロ飲料のリリース2006/09/11
http://www.sapporobeer.jp/CGI/news/index.cgi?key=index&seq=931以下、引用します。
ホップ水抽出物の花粉症症状軽減効果を臨床試験で実証
〜明年の花粉症シーズンに向け共同で飲料水開発に着手〜
サッポロビール株式会社(本社・東京、社長・福永 勝)とサッポロ飲料株式会社(本社・東京、社
長・赤坂 敏明)は、共同でホップフラボノール配糖体(※1)を含むホップ水抽出物に花粉症症状
軽減効果があることを臨床試験で実証しました(2006年10月の日本花粉学会で発表予定)。そ
の結果をもとに両社は共同でホップ水抽出物を使用した機能性飲料水の開発に着手し、サッポロ飲料
は明年の花粉シーズン到来に向けホップ水抽出物を含有する新商品を発売する計画です。サッポログ
ループでは1876年の創業以来130年間培ってきたビールの主原料である大麦とホップの育種・
品種改良技術の蓄積から、ホップの有用性に関する研究を続けており、今回の成果については、ホッ
プ水抽出物の製法とアレルギー症状軽減効果について特許を出願しました。
臨床試験では、花粉症の権威である日本赤十字社和歌山医療センター耳鼻咽喉科の榎本 雅夫(え
のもと ただお)先生の監修の下に、花粉症者20名の被験者がホップ水抽出物を添加した試験飲料
水を連日摂取することによりホップ水抽出物の機能と安全性を確認しました。試験では被験者20名
の60%がくしゃみ症状、55%が鼻水症状の軽減効果を体感できたことを確認しました。耳鼻科医
師による鼻所見でも鼻症状の改善傾向が認められ、被験者による症状スコア(※2)およびSMSス
コア(※3)でプラセボ(ホップ水抽出物の入っていない対照飲料)を摂取した被験者20名と比較
して症状軽減効果が確認されました。
ホップフラボノール配糖体を含むホップ水抽出物には、花粉症症状を誘発するヒスタミンの遊離を
抑制(抗アレルギー性)する作用があることを発見(※4)し、両社ではこの抽出物を利用し種々の
機能性が期待できる商品の開発に取り組んでいます。また本抽出物には通年性アレルギー(アトピー
、ハウスダスト等)症状軽減効果もあることが期待され、現在研究中です。両社では今後もホップ水
抽出物が持つ様々な有用性を実証し、商品化に向け取り組んでいきます。
サッポログループでは各事業会社が得意とする分野を共同で研究することで、開発スピードを上げ
、お客様により安全、安心で健康に配慮した商品づくりをしていきます。
※1「ホップフラボノール配糖体」
フラボノールは植物の黄色い色素成分の総称、配糖体はそれに糖がついて水溶性が増したもので、植
物中では配糖体の形で存在している。ホップを水抽出することにより、溶出してくる機能性成分。大
豆のイソフラボンやお茶のカテキンなどが類縁物質としてある。
※2「症状スコア」
アレルギー性鼻炎に由来するくしゃみや鼻水、鼻づまり、日常生活の支障度などを回数や程度に応
じて点数化して日々記録する。鼻アレルギー診療ガイドライン2005年版の基準に基づく。
※3「SMSスコア」
Symptom-medication score アレルギー性鼻炎重症度の症状薬物スコア、使用薬剤の種類と量とで
決まる薬剤スコアと上記の※2の症状スコアを加算したもの。アレルギー性鼻炎の総合重症度で症状
スコア同様、鼻アレルギー診療ガイドライン2005年版の基準に基づき、一般的に指標とされてい
る。
※4「ホップ水抽出物の作用」
2005年3月の日本農芸化学会大会及びオーストラリアで開催されたThe Institute of Brewing &
Distilling Asia Pacific Section
で発表。2006年3月の日本農芸化学会大会では岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 亀井千晃(
かめい ちあき)教授と共同で動物実験を行った結果を発表、各々論文にしている。
以上
*花粉症モデルマウスへの1週間連続投与後のくしゃみ反応回数の図表 については、添付のPDF資
料をご覧下さい。
(2006年3月の日本農芸化学会大会発表より)